債務整理などを法テラスに相談する場合の条件
法テラス利用条件について
法テラスとは、日本司法支援センターの愛称で国が設立した法的トラブル解決の総合案内所です。
法テラスでは、法的なトラブルで困っているが、経済的に弁護士に相談することが難しい方に対し、無料法律相談をおこなっています。
また、弁護士や司法書士に依頼する費用の建て替えも行っています。
無料での法律相談には条件があり、該当しない場合には費用が発生することもあります。
利用条件について
①収入等が一定額以下であること
②勝訴の見込みがないとはいえないこと
③民事法律扶助の趣旨に適すること
収入要件について
申込者及び配偶者(以下、「申込者等」)の手取り月収額(賞与を含む)が下表の基準を満たしていることが要件となります。
離婚事件などで配偶者が相手方のときは収入を合算しません。
人数 | 手取月収額の基準 注1 | 家賃又は住宅ローンを負担している場合に 加算できる限度額 注2 |
---|---|---|
1人 | 18万2,000円以下 (20万200円以下) | 4万1,000円以下 (5万3,000円以下) |
2人 | 25万1,000円以下 (27万6,100円以下) | 5万3,000円以下 (6万8,000円以下) |
3人 | 27万2,000円以下 (29万9,200円以下) | 6万6,000円以下 (8万5,000円以下) |
4人 | 29万9,000円以下 (32万8,900円以下) | 7万1,000円以下 (9万2,000円以下) |
注1:東京、大阪など生活保護一級地の場合、()内の基準を適用します。以下、同居家族が1名増加する毎に基準額に30,000円(33,000円)を加算します。
注2:申込者等が、家賃又は住宅ローンを負担している場合、基準表の額を限度に、負担額を基準に加算できます。居住地が東京都特別区の場合、()内の基準を適用します。
資産要件について
申込者及び配偶者(以下、「申込者等」)が、不動産(自宅や係争物件を除く)、有価証券などの資産を有する場合は、その時価と現金、預貯金との合計額が下表の基準を満たしていることが要件となります。(※無料法律相談の場合は、申込者等の有する「現金、預貯金の合計額」のみで判断します。)
離婚事件などで配偶者が相手方のときは資産を合算しません。
人数 | 資産合計額の基準 注1 |
---|---|
1人 | 180万円以下 |
2人 | 250万円以下 |
3人 | 270万円以下 |
4人以上 | 300万円以下 |
注1:将来負担すべき医療費、教育費などの出費がある場合は相当額が控除されます。(無料法律相談の場合は、3ヵ月以内に出費予定があることが条件です。)
勝訴の見込みがないとはいえないこと
勝訴における勝訴判決の見込みがあるときは勿論、弁護士や司法書士がつくことにより、調停・和解・示談交渉等による紛争の解決や、申込者の法律上の利益の獲得が期待できることが必要です。
ただし、勝訴判決が得られても、相手方の資産状況等から、回収の可能性がなく申込者の利益とならない場合、勝訴の見込みがないと判断されます。
民事法律扶助の趣旨に適することについて
援助を受けることが法律上、経済上の利益に向けられない場合や、社会正義もしくは法に照らし援助するのが適当でない場合は援助を受けることができません。
極端な少額訴訟も費用対効果の観点から援助を受けられません
代理援助や書類作成援助は費用を立て替える制度ですので、費用を償還する意思を持たない方は民事法律扶助の趣旨に反するため援助を受けることができません。
法テラスで依頼した場合の費用について(破産手続の場合)
法テラスで依頼した場合
着手金 12万6000円と実費2万3000円 合計 14万9000円
(夫婦ともに破産手続きする場合は6万3000円加算されます。)
これ以外に裁判所への予納金が20万円程度かかります。これらの費用が全て、法律扶助の対象になっている訳ではなく、予納金は対象外ですので、自分で用意する必要があります。(但、生活保護受給者に限っては、例外的に予納金も法律扶助の対象です)
法テラス以外の弁護士に依頼した場合
実費+着手金=20万円~40万円程度
免責認められた時の報酬金=20万円~40万円程度
総額 40万円~80万円程度
法テラスで相談をするには、どうしたらいい?
各地の法テラスにより実施状況が異なりますので、まずはお近くの法テラスへお問合せください。
お問合せの際に、無料法律相談をご利用できるかどうか確認があるため、収入状況や資産、家族構成などについて質問があります。
相談内容は【民事】【家事】または【行政】についての問題です。
【刑事事件】については相談の対象ではありませんので、ご注意ください。
相談を受けられる場所は、お近くの法テラス、もしくは法テラスと契約している弁護士、司法書士の事務所等です。
また、無料相談は1回30分程度、ひとつの問題につき3回までとなっています。