任意売却のメリット
任意売却のメリットについて
任意売却には、競売とくらべ多くのメリットがありますが、もちろんデメリットも存在します。
ここでは、任意売却のメリットについて解説していきます。
任意売却のメリット
1リースバックで住み続けることができる
競売になってしまうと家は立ち退く必要があり、法の下に強制退去となってしまいます。
一方、任意売却の場合にはリースバックや親族間売買を利用することで住み続きることができ、また買い戻すことも可能になります。
2ローンの残債を減らすことができる
任意売却では、売却価格が通常の売却に近い金額で売却されるため、売却後の残債についても競売に比べ少なくなります。
競売になってしまうと、売却価格は市場価格の5割~7割程度になってしまいます。
3引越資金を捻出できる
金融機関やケースによって金額は異なりますが、任意売却の場合には引っ越し資金が売却代金のなかから金融機関に支払ってもらえることがあります。(通常10万円~30万円程度)
競売の場合には引っ越し費用は実費となりますし、引っ越しの時期についても融通がききません。
4売却時の費用も持ち出しがない
通常の不動産売却時には、物件の売却に伴い諸費用がかかります。しかし任意売却の場合、住宅ローンの支払いがきびしい状況で手元に資金がないことがわかった上で、金融機関も任意売却を認めます。
そこで、金融機関は諸費用を売却代金から支払うことを認めてくれています。
主に、「仲介手数料」「抹消登記費用」「管理費等清算金」などです。
また、税金の滞納がある場合や差押えの解除費用についても売却代金からの支払いが可能です。
※滞納が多額になている場合には、全額納付にならないケースもあります。
税金の支払いは自己破産をしても消滅せず延滞損害金も発生しますので、この時点での清算はおおきなメリットになります。
5プライバシーを守ることができる
任意売却は通常の売買と同様の販売方法をとります。そのため近隣の方に住宅ローンの滞納からのお引越しと知られてしまうこともありません。
一方、競売になってしまうと売却は裁判所の主導で行われ、自宅に調査が入ります。
また競売の入札に必要な情報が裁判所や競売の情報サイト、新聞に掲載されてしまいます。
※掲載内容:住所・氏名・物件の詳細・写真等
6残債の支払いの相談ができる
任意売却を行ったあとの残債について、あらたにローンを組む必要はありません。
どのようにするかというと、具体的には以下の方法があります。
①一括で支払う
②分割で支払う
③支払える範囲の金額を支払う
①については一括で支払いが可能であれば通常売却も可能ですし、②についても新生活の家賃もありますので現実的ではありません。
そこで③の支払える範囲の金額を支払う方法があります。
こちらは不動産の売却時に金融機関に「生活状況報告書」を提出した上で、毎月無理のない範囲での支払いをみとめてもらいます。
残債について、月々5000円~1万円程度の支払いとなるケースも多くあります。
7決済が早くなり、延滞損害金が少なくすむ
任意売却は競売にくらべ、引っ越し時期は早くなってしまいます。
競売には時間がかかりますし、任意売却は競売の前におこなうものなので当然ではあります。
一方で、住宅ローンの滞納は延滞損害金が発生しています。
延滞損害金は年利14.6%程度の金融機関が多く、2500万円ローンの残債がある場合には年間365万円もの損害金となり、一日1万円もかかっていることになります。
一日も早く売却することで、残債も減り今後の生活の目途も立ちやすくなります。
8精神的な負担が少なくすむ
任意売却と競売の気持ちの違いは、任意売却の「売る」に対し、競売では「失う」「取られる」といった気持ちの部分です。
もちろん任意売却も競売も自宅を失うことに変わりはないですが、任意売却の場合には最悪のケースを回避できたという安心感も得られ、新しい生活のスタートができます。
また、周囲に知られてしまう気まずさもないこと、残債務も少なくなることから、精神的な負担は競売に比べ少なくすみます。