任意売却と親族間売買の組み合わせについて
親子間売買・親族間売買とは
親子間売買、親族間売買とは不動産の売却先として、両親や子供、親族に住宅を買取ってもらう方法のことです。
親族間売買なら、お互いに都合のよい条件をつけやすいため、よりお得な取引ができると考える人は多いですが、実際にはさまざまな注意点があります。
親族間売買だからこそ起きてしまうトラブルも多数あります。トラブルを上手に回避して取引を行うためにも、親族間売買におけるポイントを詳細まで把握しておきましょう。
任意売却と親子間売買、親族間売買を組み合わせる
親子間売買、親族間売買と任意売却を組み合わせるメリットは、その後買主から賃貸で借りる、もしくは無償で住ましてもらうことで、そのまま住み続けることが可能になることです。
自宅には思い入れがあり手放したくない、子供の転校は避けたい、親の介護が必要など様々な理由で自宅に住み続けたいと考える方は多くいらっしゃいます。
親族間売買であれば、自宅に住み続けられるのでご検討される方も多くいます。
しかし、親子間売買、親族間売買はとてもハードルも高い売買方法です。
住宅ローンを借りる場合には、自分たちだけでは審査をしてもらうことも難しいケースもありますので、専門家へ相談、依頼をされることをおすすめします。
親子間売買・親族間売買のメリット
1引越氏の必要なく、自宅に住み続けることができる
2売却先が親族なので安心
3買主が相続対象者の場合には、相続税対策にもなる
※生前贈与となり、贈与税がかかることがあります
4将来的に買い戻すことも可能
親子間売買・親族間売買のデメリット
1融資を受ける金融機関が少ない
2買主の親族が自分の住宅ローンを組みづらくなる
3親族間トラブルになる可能性がある
親子間売買・親族間売買の難しさ
親族間売買において、買主が現金一括で購入できる場合には大きな問題はないですが、住宅ローンを組む場合にはハードルが高くなります。
親子間売買、親族間売買において、多くの金融機関が融資に対して消極的です。また、親族間売買は基本的に貸付を行わないという決まりのある金融機関もあり、銀行はほとんどの場合に取り扱いをしてくれません。
理由としては、親子間の不動産の受け渡しは、多くは相続、贈与となる点です。
なぜなら、相続もしくは贈与のほうが取得費用を抑えることができるのに、なぜ不動産売買を行うのかと金融機関が納得をしないということです。
住宅ローンは基本的に自分が住むための住宅を購入するためのローンですが、住宅を購入する目的の融資が、別の目的で使用される可能性もあるため、金融機関は融資を認めないケースが多いのです。
また、売買価格に妥当性がないケースもあります。
また、融資が承認となった場合でも、金利は通常の住宅ローンより高めに設定されることが多くなります。
フラット35で親族間売買
住宅金融支援機構のフラット35であれば、親族間売買でも住宅ローンを組むことが可能です。
その場合には、第三者【宅地建物取引業者】を媒介として不動産売買契約を蒸すの、かつ所有権の移転登記の登記原因が売買となるものが対象となります。
しかし、現入居者間での売買や、売主が同居していないが申込者(買主)が使用賃借(賃貸借契約を結ばずに居住している)している場合には、フラット35での親族間売買は対象外となります。
銀行や信用金庫での親族間売買
都市銀行やメガバンクでも親族間売買の取り扱いはしていますが、直接の相談では融資の取り付けは厳しいのは事実です。
親子間売買、親族間売買の実績のある不動産会社を通し、相談をすることが融資の成功のカギになりますが、それでも融資のハードルは高くなります。
信用金庫や地銀、農協では親族間売買を行っている金融機関は少ないですが、一部親族間売買が可能です。
ノンバンク系のローンで親族間売買
ノンバンクとは預金業務を行っておらず、与信業務を行う金融機関で、クレジット会社や消費者金融、リース会社等を指します。
ノンバンクは金利が高いと敬遠されがちですが、親族間売買においては強い味方になってきます。
金利も、銀行系の住宅ローンよりは高いものの、ほかのローンに比べれば低金利で返済年数も35年までみてもらうこともできます。
また、後々に銀行で住宅ローンの借り換えを行うことも可能です。
数年間、金利が若干高くても返済をし、時期を見て借り換えを行うことも一つの選択肢となるでしょう。
親子間売買、親族間売買での住宅ローンのポイント
・原則として、融資対象となる住宅に同居していない
・不動産会社を介して売買契約をする
・買主が住宅ローンの審査基準を満たしている
・自己資金を入れることができる
・価格が市場取引価格に基づく適正な価格である
・融資対象の不動産に担保価値がある
・売主の借り入れ状況や売買代金の使用用途が明確
・別途、保証人が必要になっるケースもある
上記にあてはまれば、親族間売買においても住宅ローンを利用できる可能性が高まります。
もちろん、それぞれのご状況によっても変化しますので、親族間売買に詳しい任意売却業者や不動産会社にご相談をされることをおすすめします。
任意売却での親族間売買は、特に難しい条件です。
しっかりと対応できる業者選びが成功の秘訣になります。
親子間売買・親族間売買で住宅ローンが通らないケース
・購入物件が借入額に見合わず、担保不足の場合
・買主の個人信用情報に問題がある場合
・売買価格が適正価格でなく、みなし贈与の可能性を疑われる場合
・相続時にトラブルになりそうな場合
・固定資産税や健康保険等の税金を滞納している場合
・売主が住宅ローン、マンションの管理費等、税金の滞納している、また差押えが入っている場合
※任意売却と親子間売買・親族間売買を組み合わせる必要があります。
親族間でトラブルにならないために
親子間売買や親族間売買が成功しても、後々親族間でトラブルになってしまっては身も蓋もありません。
親が住んでいた物件を子供が購入し親が住み続ける場合には、子供はご自身での住宅ローンが組みづらくなってしまいます。
また、子供の住宅ローンの支払いが困難になり、親が親子間売買で購入し子供が住み続ける場合などは、賃料の支払いや買戻しの時期など返済のルールを決める必要もあるでしょう。
様々なケースを想定し不測の事態のたきにもトラブルにならないようにルールを決め書類に起こしておくことで、親子・親族との関係を悪化してしまうことがないように気を付けていきましょう。