税金の滞納からの差し押さえ
差し押さえられた後でも任意売却は可能です
「自宅を差し押さえられてしまっているから、任意売却はできない」と思っている方が大変多くいらっしゃいます。
もちろんそのままの状態では不動産の売却はできませんが、しっかりと役所や税務署と話し合うことによって、差し押さえを解除してもらい任意売却をすることは可能です。
「滞納分を全額納付しなければ差押えの解除はしない」といった強硬な役所ももちろんあります。
こういった場合でも、話し合いや調整を重ね、差し押さえの解除に応じてくれるケースもあります。
税金の納付については、役所も分納の相談に応じてくれます。
滞納額が大きくなってしまう前に事前に分納の相談をしましょう。
固定資産税滞納と差押え
差し押さえになる対象は様々です。
預金はあるのに税金を支払わず滞納している悪質なケースもあるので、まずは預金口座の差し押さえが実施されます。
こちらは給与振込口座も対象となります。※給与の差し押さえは手取り給与の4分の1が上限です。
ただし、口座にお金がなかったり、銀行カードローンなどで残高がマイナスのケースには口座を凍結しても意味がありません。
そこで、車や不動産といった資産が差押えの対象となります。
不動産の差し押さえが行われると、登記簿謄本に「差押」の登記がされます。
差押えの登記がされることによって、所有者の意思で不動産の売却が出来なくなってしまいます。
不動産の売却を行うためには、まず差押えの解除が必要になります。
税金の滞納から差押えまで
①税金の滞納
納付期限までに納付をしなければ滞納となり、延滞税が課税されます。
納付期限は、税金によって、また自治体によって異なります。
②督促書
納付期限後20日以内に督促書が郵送されます。
③催告書
催告書が届いても放置してしまうと催告書が送られてきます。
こちらは複数回送られてくることがあります。
④財産調査
住民税や固定資産税、自動車税などの地方税は【督促書を発した日から10日以内に税金を納付しない場合は、滞納者の財産を差し押さえることができる】とあります。
これは差し押さえた財産を換価し、税金の回収に充てるためです。
このことから役所は、滞納者の身辺や財産の調査を行います。
⑤差押予告書
財産調査ののち、役所より差押予告書が届きます。
こちらには税金の納付がなければ預金、口座、車や不動産などの財産を差し押さえますといった内容が記されています。
⑥差押え
実際に差押えが行われます。
事前に「差押予告書」がなくとも、差し押さえが実行されるケースもあります。
⑦登記と通知
不動産が差押えられてしまった場合には、差押登記がされます。
また、抵当権が設定されている場合には各債権者へ「差押通知書」が送られます。
⑧公売予告・公売
車や不動産などの換金可能な差押え対象の場合、競売と同様に公売といったオークション形式での売却となります。
事前に「公売予告通知書」が届き、インターネット等で情報が公開されます。
税金の滞納と自己破産
税金の滞納は、自己破産では解決できません。
自己破産をした後も支払い義務が残ります。
自己破産後も支払い義務が残るものにはこのようなものがあります。
・税金
・慰謝料、養育費
・損害賠償金
・刑罰による罰金等
このなかでも税金は住民税・国民健康保険など、みなさまに支払い義務があるものが多いです。
しかし後回しにしてしまっている方も多く、高い利率の延滞税が課せられ支払いがより困難になってしまうケースが見受けられます。
税金の滞納と任意売却
前出したとおり、税金の滞納があっても任意売却は可能です。
任意売却をすることによって、役所と話し合い、滞納した税金を清算してもらったり、差し押さえの解除をしてもらいます。
自己破産をしても税金の支払い義務からは解放されませんので、分納での納付が難しいのであれば任意売却を検討しましょう。